STUDIO44の近況報告

福岡を中心に活動するバンド。愛称はスタヨン。

O君私信

みなさん、こんにちは。STUDIO44の萩原です。

最近すっかり涼しくなりましたね。夜もだいぶ過ごしやすくなったので、ここ何日かは映画を観たりして夜更かししています。つい先日遅ればせながら「ジョゼと虎と魚たち」という映画を観ました。くるりの音楽も良くて、とても好きな映画でした。村上春樹さんの小説も映画化が決定したみたいで、今から楽しみです。最近の日本映画はいいですね、と、偉そうに言えた立場ではありませんが(笑)でも楽しみです。

映画といえば、僕の高校時代の友人が映画製作を学ぶためにアメリカはカリフォルニアに留学しておりました。少し前に帰国して、一度会いましたが、それ以降は音信不通です。もしコレ見てたら連絡ください(笑)

で、その彼、あえて実名で書きますが、大浜くん(ニックネームはオオハメ)は、その昔、高校時分はあまり目立つ感じでもなく、芸術分野には程遠い出で立ちをしておりました。そんな彼を捕まえて、「もっと自分を解放しろ!」と暗示をかけまして、それに託けて、高校時代はいろいろ道連れにイタズラをやらかしたものです(変な意味のイタズラではありません)。

これはある日の化学の授業中の出来事。

化学の先生は白衣を着た生真面目な、怒ると恐いS先生でした。S先生は授業時間中、ちょっとした実験を行う時、決まって生徒を教壇のまわりに集めます。その日はイオンについての講義が行われておりました。で、黒板に水酸化物イオンのイオン記号「OH-」がデカデカと書かれておりました。

「実験を行いますので、皆さん、教壇のまわりに集まって下さい!」

と先生から指令がかかった瞬間、僕は隣の席の大浜くんに耳打ちしました。

「大浜、オマエは常々自己アピールが足りない所がある。もっと自分を打ち出さなきゃダメだ!今日を境に生まれ変わるんだ!オレにいい案がある。」

「何?」

「今から教壇のまわりに皆が集まるだろ?その時、先生が実験やってる間に、で、皆も食い入るように実験を見つめてるその瞬間に、あの黒板の『OH-』のうしろに『AMA』という文字を素早く書き足すんだ。そしたら『OHAMA』、即ち『オーハマ』になって、この教室にオマエの歴史が刻まれる!」

今まであの手この手で、彼を騙してきましたが、この時ばかりはさすがに彼も躊躇しました。そこを「大丈夫。大丈夫。オマエならやれる!自分の殻なんか打ち破ってしまえっ!」と励まして、何とか実行へ導いたのです。

実験が終わり、「はい、席に戻ってください。」とのS先生の声にみんなが各々の席に散っていきました。

僕も自分の席に戻って黒板を見ると、そこにはデカデカと「OHAMA」の文字が!

僕とそのまわりの生徒は笑いを堪えるのに必死でしたが、先生はその後も説明を続けるのでした。「〜であるからして、陰イオンと陽イオンは・・・」次のテーマへ映ろうと、黒板消しで黒板を消していたS先生の手が突如「OHAMA」の前で止まりました。

一瞬ビンタも覚悟しましたが、2秒ほど沈黙した後、何事も無かったかのように先生は説明を続けながら、大浜くんの必死の自己表現「OHAMA」を消し去ってしまいました。。。

この時の経験がもとになって、彼は自己表現の快感を覚え、映画関係の仕事を目指すようになったのだと今でも僕は強く信じています(笑)という事で、もし大浜くんがコレを読んでたら連絡ください。

てなわけで、また次回。