19歳の夏 -後編-
みなさん、こんにちは。STUDIO44の萩原です。
前々回、前回と僕の一夏の思い出について綴っております。今回が完結編です。
さて、クラウドベリージャムのライヴ会場である西新VIVREに到着した僕ら二人ですが、ワンドリンク制の会場であった為、入場してすぐバーカウンタで飲み物とドリンクチケットの引き換えが行われていました。
彼女が「ワタシ、行って来る!ここで待ってて!」と言い残して雑踏の中へ消えて行きました。
数分後、戻って来た彼女は両手にハイネケンの缶を握っていました。「せっかくこうやって会えたし、その記念に乾杯しようかと思って…」そう言って、彼女は缶を開け、グビグビと飲み干していくのでした。けど、あまりお酒は強くないらしく、すぐに頬を赤らめて「酔ったかも…」みたいな事を口にするのです。
え〜そんな大胆な…(19歳の男子は何にでも興奮するのです)
完全に浮き足立っていた僕は、その日のライヴ内容をほぼ覚えておりません。結局、ライヴとは全然別のところで興奮したまま、公演終了となりました。
その日の夜の高速バスで日帰りを予定していた彼女ではありましたが、バスの時間まではまだ余裕があるとの事。もう一度天神まで出て、食事をする事にしました。食事の間中、音楽のマニアックな話(実際本当に詳しかった)を続けていましたが、最後に少し散歩しようということになり、福岡の警固公園というところ(恋人たちが結構集っている場所)を歩きました。
そこで時間を潰した後、彼女を長崎行きのバスが出るターミナルへ送って行くことに。
彼女の数々の言動から、オレに気がある!コレはきっと運命だ!と判断したバカな19歳の僕は、思い切って彼女に別れ際、電話番号を渡しました。なぜなら、彼女もこれから福岡にちょくちょく遊びに来たい、こんなに音楽の話が合う人は他にいないって言ってたから…。
今みたいに携帯電話もメチャメチャ普及はしていなかったので、当然自宅の固定電話の番号を渡したワケですが、結論から言うと、彼女から電話がかかってくることはありませんでした。
ただ、純粋でバカな19歳の僕は、それから来る日も来る日も電話を待ち続け、風呂に入っている間に電話がかかってきたらどうしよう?というアホな不安に苛まれ、結局明け方に空しくシャワーを浴びる生活をしばらく続けていましたが、やがて、アレは幻だったんだな、と気付くワケです。こうやって人ってオトナになるんですね…。
で、ここに来るまで非常に長かったですが(笑)、冒頭の「腹黒さ」の議題に戻ると、何事も思わせブリはいけないですね、という、とりあえずの私の個人的見解です(笑)
今、これを読んでいる方の中で19歳の女の子がもしいたら、僕はそれだけを言いたい(笑)そして、あの時の女の子がもしこれを読んでいたら「僕は今日もうお風呂に入りました」と言いたい(笑)そしてそして、あの時、僕を親切で乗せてくれた運転手さんがもしこれを読んでいたら「今度会ったら素通りして下さい」と言いたい(笑)
言いたい事も尽きぬ今日この頃ではありますが、最後まで読んで下さったみなさん、どうもありがとう。しばらく長編は書きません。
もう夏ですね。19歳か…眩しい。そんな感じでまた次回。