STUDIO44の近況報告

福岡を中心に活動するバンド。愛称はスタヨン。

もみあげエマージェンシー(前編)

みなさん、こんにちは。STUDIO44の萩原です。春一番なのか分かりませんが、ここ福岡はすごい風です。黄砂も飛んで来て、クルマは汚れるし、あんま嬉しくないです。

さて、最近実家に僕を名乗る振り込めサギまがいの電話がかかって来たらしく、少し前にも伯母の家にも同様の電話が…物騒な世の中になったものですね。僕の同級生の皆さんは名簿売らないで下さい(笑)

ところで、同級生と言えば、今は受験シーズン真っ盛りな学生のみなさんかとは思いますが、僕のこれまでの人生において今までで一番楽しかった時期を三つ挙げろと言われたら、間違いなくその一つに高校三年生の2月3月を挙げると思います。

先に書いたよう通常の受験生の方は最後の追い込みとか二次試験とかとかく大変な時期かとは思うのですが、僕は逆に高校時代で一番遊んだ時期でした。

高校三年生になったとたんに、学校全体が受験というか、そういった強迫観念に駆られたような、例えると決してグラデーションではなく、いきなり夏から冬へ季節をすっ飛ばしたような、そんな急激なモードチェンジを強いられて、全然馴染めなかった覚えがあります。馴染めないどころか、反発しまして、結果全然勉強しなくなると。

このロックな選択なせいで、あとあと苦労もするのですが(笑)それはまた別の話で、とにかくその年の2月3月を遊びまくりました。

たかだか2ヵ月弱ではありますが、今考えても相当密度の濃い時間だったような気がします。エピソードがありすぎて全部書くのは到底無理なんで、今回は一つだけ。

こないだTV観てたら、ミュージシャンがどこか離島の高校にライヴに行って、島を去る時に、地元の見送りに来た高校生とカラーの紙テープ(陸地と船上で)を持ち合い、フェリーが出港する時にそのテープが千切れて…みたいな光景が流れていました。

これって僕の出身の五島列島福江島ではよく見られる光景で、誰かが島を去る時、それが海路であった場合は必ずこの方法で見送ります。で、この時期は卒業もそうだけど、ご存知の通り転勤も重なるので、毎日誰かしらの見送りが福江港では行われる事になるのです。

そこで話は、高校三年生、吹奏楽部の顧問の先生が異動で島を離れる前日に遡ります。

僕らは吹奏楽部の部員A君の一人暮らしの家に集っていました。明日の見送りは例の紙テープの演出以外にもブラスバンドだけあって、港で演奏する演出も加わり、なかなか賑やかな催しとなる予定でした。

別に僕らは吹奏楽部の顧問とか全く関わりは無く、特に恩義も感じてなかったのですが、高校生は往々にして人が集まるところが好きであり、僕らもその例に漏れず、「いっぱい女の子が来るらしい」という噂だけで、顧問を恩師として送り出す気満々でした。

そうして(世の中の高校生が往々にしてそうであるように)夜遊びが大好きな僕らは前述のA君ん家に集まった訳ですが、このA君はすぐに寝るし、なかなか起きないので、普段から彼の寝顔に落書きする事が当時の僕らの楽しみの一つとなっていました。

後日、落書きだけでは飽き足らず、右の鼻の穴に「わさび」左の鼻の穴に「からし」という夢のコラボも実現するのですが、これもまた別の話(笑)

で、その日もいつもの通り、早々と眠りに落ちたA君の顔に落書きを開始しました。今まではA君のおでこに「肉」と書いたり、眉毛を繋げたり、そんな他愛もない事をしてたのですが、今回はそれに加え、少し趣をかえてみようという事になり、顔から少し遠出して、まず右もみあげに「S●X」とこれまた分かり易すぎる単語を記入し、次に左もみあげに「したい」と書き、次に腕に卑猥な絵や図を書き込みました。

そんなこんなで夜も更け、いつの間にか眠りに落ちていた僕らはA君の「ヤバいっ、寝坊した!」の声で目を覚ますのでした。

急いで身支度をするのですが、何せフェリーの時間も迫っている為、吹奏楽部の恩師を送り出す立場のA君は相当焦っていて、身だしなみを整えるのもそこそこに家を飛び出そうとしました。

僕らは「やった!これで昨夜の落書きに気づかずに家を出る!」と内心喜んでしたのですが、これまでも同様の被害に遭ってきたA君もさすがに学習しており「あっ!ちょっと待って!」と言いながら鏡で顔の正面をチェックするのでした。

万事休す。

「おお〜、危ねぇ…。気づかないとこだった。」と言いながら彼は顔の正面の落書きをタオルで拭き取りながら、勝ち誇ったかのように僕らを見下しました。「ホントお前ら、バカの一つ覚えみたいに毎回同じ手ばっか使いやがって。フッ。」

しかし、あろうことか、昨夜の趣向を凝らした部分、すなわちもみあげと二の腕の箇所には一向に気づかずに家を出る結果に…。

思いの外、長くなったので久しぶりに続きます。

てな感じでまた次回。(良いコの皆さんは真似しないで下さいね)