STUDIO44の近況報告

福岡を中心に活動するバンド。愛称はスタヨン。

MASTER TAPE

みなさん、こんにちは。STUDIO44の萩原です。すっかりご無沙汰しておりますが、お元気にされていますか?年末年始のご挨拶もちゃんとできずごめんなさい。

その間、特に何があったという訳ではないのですが、いろいろやっているうちに今日になってしまいました。

44新年会とかも一応ちゃんとやったんですが、例年通りに僕以外のメンバーはエンジニアA氏と共に、終始プロレスの話とかで盛り上がる。それに辟易するオレという、そんなオチですので(冗談でなく本当にそう)だから今年は割愛したいと思います(笑)

代わりに今回は、最近テレビで、地上波/BS/CS問わず音楽番組をよく観ていて、なかなか興味深いものもあったので、その話をしてみようと思います。

中でも一番印象深かったのが、タイトルにもある「MASTER TAPE」という番組です。

これはかのユーミンが名盤「ひこうき雲」のマスターテープを演奏メンバーやスタッフとプレイバックしながら当時のレコーディングの模様を振り返るという、かなりニッチな番組です。もちろん地上波ではありません(笑)

マスターテープというのは、録音したテープの原盤を指していて(昔のカセットテープの、業務用にあたるものと言えば想像しやすかも知れません)その名のとおり昔は本当にアナログのテープだったので、その録音テープをマスターテープと呼んでいたのですが、今やテープというのは名ばかりで、ハードディスクにデジタル録音するのが主流です。

で、話を元に戻すと、「ひこうき雲」のマスターは当然本当のアナログテープなんですが、それを音楽スタジオで録音した本人達が30年くらいの時を経て全員で聴きなおしている訳です。

現在はデジタル録音の技術が発達して、自宅でもレコーディングスタジオ並みのというと語弊がありますが、世の中に流通している音楽と遜色のないクオリティでの録音が可能となった訳だけれど、誤解を恐れずに言えば、これって「箱庭」のような感じもあり、諸々の制限がある中でのスタジオ録音とは、絶対的に音の質が違うような気がします。どれだけ精巧なシュミレータを使ったとしても。

44の曲に「アイロニー・アイボリー」という曲があるのですが、そのイントロのリフは、スタジオのミキサー卓の裏で爆睡していた山下くんを無理やり叩き起こして、いきなり録音させた時に本人から自然と出てきたフレーズです。その時はメンバー全員とても驚いたのを覚えています。まあ、当の本人も驚いてたんですが(笑)まさにこれがスタジオマジックですよね。

その後、幾度となく録音経験を経てきましたが、自宅で録る時はこういったマジックはほぼ出ません。基本的に何時までに終わらせないとというのは意識として希薄になるし、捻り出す、絞り出すといった雰囲気にもなりづらいので。

そんなこんなで、アルバム全編は無理としても、やっぱり楽曲のせめて基礎となる部分くらいはレコーディングスタジオで吹き込みたいと、そう強く思います。

という訳で、今回のFineの新録曲もベーシックはスタジオで録音しました。今ちょうどその「下」の2回目のミックスをやっています。

まあ、たぶんいい感じになるのではないかと。

ちなみにユーミン絡みの番組でもう1つ、プロコル・ハルムとユーミンがライヴ共演するという番組も同時期に観たのですが、44の「ふくろうの森」のオルガンのフレーズは「青い影」を意識した覚えがあるな。。

本当に僭越ですが、両番組から偶然にも44の昔の曲を想起してしまいました。もうすぐ春ですね。

と、そんな感じでまた次回。